一本のファイバを数100本分のファイバとして用いることのできる通信技術

5G通信技術の導入によって、基幹ネットワークにかかる負荷は大きく増大することが予想されています。通信トラフィックが持続的に増大する状況において、10年ほど前から、私は、1本のファイバ中を伝送できる情報量を飛躍的に増大することのできるMDM(Mode Division Multiplexing)という研究に取り込んできました。具体的には、ファイバ中の空間モードを合分波することのであるホログラム素子に関する特許を取得し、その性能向上と実用化を目指して、現在、NICT-情報通信研究機構との共同研究を進めています。 MDMでは、一本のファイバ(正確にはファイバ中のコア)の中に、複数の空間モードを多重化することが可能であり、通信容量がモード多重化数倍に向上するという潜在的に大きなメリットを有しています。